リトミックスとは、スイス人の音楽教育家・作曲家であるエミール・ダルクローズ氏が考案した音楽教育法です。
そもそも、エミール・ダルクローズ氏がリトミックスを考案した背景には、音楽学生の音楽的センスをいかに高めていくかを突き詰めたことがあります。
学生の音楽的センスを培うためには、音楽と動きを自然に一体化することが必要だと考えた結果、リトミックスが誕生しました。
リトミックスの教育法は、身体を動かす体操だけでなく、身体を使って音楽を楽しむということです。
音楽に合わせて体操をしたり、手遊びをしたり、楽器を鳴らすという行為を行います。
目次
リトミックスで培われる能力とは
リトミックスは、心と身体を一体化・調和させることを目指して行います。
音楽を身体全体で感じ、音楽に合わせて身体を動かすことで、音感やリズム感が培われます。
また、音楽に合わせて、自分が気持ちの良いように身体を動かしたり、自由に身体を動かすことで、「音楽が楽しい」「音楽が好き」という気持ちが培われ、音楽に対して深い親しみを抱くようになる効果もあります。
そして、リトミックスでは、言葉や数字、身の回りの生活や自然、自分が感じる感覚などをテーマにします。このことによって、子供の自立心や集中力、自主性や責任感などが自然と養われます。
また、さまざまなテーマを通じて自己表現を行うので、感受性が豊かになり、情操教育にも役立ちます。
リトミックスと体操の違いとは
最近の子供たちは、習い事が多く外遊びする時間がなかったり、そもそも外遊びする場所がないという理由から、外遊びが大幅に減少しています。
外遊びをしない子供は、運動能力が発達しなかったり、運動をしないことで身体の臓器が発達せず体調を崩しやすい子供になったり、ゲームばかりをしていて目が悪くなったりと、マイナスのことばかりが起こる可能性があります。
そうならないためにも、身体を動かす習い事に通わせるご家庭も多いのではないでしょうか。
私たちの子供時代には、身体を動かす習い事というと、体操教室がほとんどでしたが、今ではリトミックススクールの方が人気になっています。
その理由は、先ほども紹介した通り、身体を動かしながら、音感教育や情操教育、生活習慣が同時に身に付けられるからです。
体操教室では、運動神経を伸ばすことを一番の目的にしているところがありますので、とにかく運動神経の良い子供に育てたいご家庭にはおすすめです。
体操教室では、鉄棒やマット、跳び箱や器械運動などを実践します。これらの運動は、子供が小学校に通うようになると、体育で必ず行います。
体操教室で実践していれば、授業で出遅れることもありませんし、他の子供よりも上手にできることで自信につながるというメリットがあります。
また、体操教室は、リトミックスに比べると、さまざまな運動道具を使って運動を行いますので、運道量が多くなります。そのことによって、基礎体力の向上は体操の方が期待できると思われます。
もちろん、リトミックスでも飛んだり跳ねたりと、たくさん身体を動かしますので、基礎体力の向上は期待できます。
ただ、リトミックスは音楽を用いた体操と言う点が、体操とは大きく異なります。体操では得られない能力が、リトミックスを通じて得られるチャンスがあります。
リトミックスが体操に比べて良い点
子供が大人になる頃は、外国人のように自己表現力・想像力が必要になる時代になっていると思われます。
実際に、大学の入試も、創造性や読解力がないと解けない問題が多く出題されるようになります。従来の、詰め込むだけの勉強法では受験に勝つことが難しくなる時代です。
ですから、小さいうちに、創造力や自己表現力を養うことができるリトミックスは、子供の将来を考えると、とてもメリットがあります。
リトミックスと体操、通い始める時期
リトミックスも、体操も、運動能力が著しく発達する幼少期に通うことをおすすめします。
生まれてから5歳ころまでには、神経系の約80%が成長をし、12歳ころにほぼ100%になると言われています。
つまり、この時期に体操やリトミックスに通うことで、子供の能力がグッと発達するのです。
子供の運動神経などが発達する時期は、ゴールデンエイジと言われており、このゴールデンエイジは3つの時期に分けることができます。
まず、3歳から8歳までのプレゴールデンエイジは、運動の基礎動作を身に付けることで今後の運動能力の伸び方が著しくなると言われています。
そして9歳から11歳までのゴールデンエイジは、自分の思ったように身体が動かせるようになりますので、運動センスや技術がみるみる身に付く時期です。
12歳から14歳まではポストゴールデンエイジと言われ、この時期には運動神経のほとんどが形成されてしまっています。運動神経の成長はあまり期待ができなくなってしまう時期です。
つまり、プレゴールデンエイジからゴールデンエイジである3歳から11歳までの間にリトミックスや体操を始めることをおすすめします。
また、リトミックスであれば、運動神経だけでなく、音楽的センスや、創造性までも同時に育むことができます。
リトミックスも体操も、0歳児から始められるスクールはありますが、比較するとリトミックスの方が多い傾向があります。
赤ちゃんのころから音楽と親しむことができるリトミックスは、将来の成長がとても期待できそうです。
リトミックスと体操の月謝の違い
リトミックスと体操の月謝の違いについては、地域などによりバラつきがあり一概には言えませんが、ほとんど変わりがなさそうです。
コナミスポーツの体操教室の月謝は約7500円(東京23区、地域によって異なります)、カワイ音楽教室のリトミックスの月謝は約7000円(地域によって異なります)でした。
他にも、区や市で行っている教室もあり、そちらでしたらとても安く通うことができます。