昔からある習い事の一つであるそろばんは、現在とても注目されていることを皆さんはご存じでしょうか。
科学が発達し、コンピュータが主流となっている今の時代に「そろばんなんてダサい」「行くならパソコン教室でしょ」と筆者も思っていたのです。しかしある日、本屋さんに行ってみると脳力アップを謳う書籍やそろばんドリルがたくさん売られているではありませんか。
今やそろばんは、脳科学者の間で脳の発達に関して高い支持を得ている習い事となっているのです。
今回はそんなそろばんによる脳の効果を説明していきます。
目次
指と脳の関係
指先は、「第2の脳」「外部の脳」と呼ばれる程大脳の活性化に重要な役割を持つ部分です。指先を動かしている間、脳はたくさんの情報を処理しなければなりません。
指先の感覚から得る情報、そして指を見つめる目からの情報を処理しながら、脳はそれらの情報をもとにどのような方向性に物事を進めるか随時答えを導きだそうとします。
つまり、指からの刺激は、そのまま大脳への刺激となるのです。
これらの点からそろばんというものを見てみると、指をたくさん動かさなければいけないそろばんの動作は、脳への刺激がとても大きいとわかります。
右脳のはたらきとは
そろばんによる脳への効果として着目すべき点は、主に右脳の活性化であると学者達は言っています。
人間には右脳と左脳があり、それぞれの役割があります。左脳は計算や言語等を司っており、論理的な思考を担っている脳です。
一方、右脳はイメージ的な記憶や認識、ひらめきを担当しており、感性や記憶を司る脳です。また、右脳は左脳に比べて100万倍以上の情報を記憶する力を持っていると言われています。さらに、右脳の記憶は覚えやすく忘れにくい記憶となるのです。しかし残念ながら、右脳の能力を活かしきれていない人がほとんどなのです。
なぜかというと、現代社会で生活を送る上では、どうしても左脳の活躍の場が多くなってしまうからです。脳を活性化させるためには、意図的に右脳を鍛える機会を持つことがと
ても大切なのです。
そろばんをすると右脳が活性化される
暗算の達人の多くは、そろばん経験者が多いのです。彼らは、計算をする時にそろばんをイメージし、頭の中で珠を動かしていると言います。
そういえば筆者の小学6年生になる甥っ子も1年生の時からそろばんを習っていたため聞いて見ると、やはり算数の時間の計算の時は頭の中でそろばんをはじいていると答えていました。そろばんを習っているうちに自然と頭の中にそろばんが思い浮かぶようになったそうです。
そろばんを頭の中イメージするためには、右脳の働きが必要不可欠です。つまり、そろばんを学んでいると、自然に右脳を刺激することになり、右脳の活性化につながるのです。
そろばんで右脳を鍛えると起こる良いこと3つ
記憶力の向上
物事をイメージと認識しての記憶を得意とする右脳は、瞬時に記憶し、長期的にそれを保つことができます。そろばんで常に右脳を刺激していれば、物事をイメージとして記憶する習慣がつきます。
よって、そろばんだけではなく様々な分野で記憶をする力の向上が見込めます。
集中力の向上
意識的な集中力は、左脳がコントロールしています。一方で、右脳は無意識的な集中をコントロールしています。例えば、楽しかった時間や夢中になった時間は、誰でも忘れないものです。
このような無意識的な集中を右脳はコントロールしています。楽しい時間は比較的長時間集中できるものです。
つまり、右脳を鍛えてうまく活用できるようになれば、素晴らしい集中力を身につけることができるのです。
情報処理能力・創造力の向上
左脳に比べて、瞬時にたくさんの情報を読み取り処理することができる右脳は、人間が意識的に処理しなければいけない部分も、無意識的に処理することができます。
情報処理能力が向上すれば、色々なひらめきやアイデアが出ることにつながり、結果的に創造力にもつながるのです。
右脳の活性化は左脳の活性化につながっていく
そろばんによる脳への効果は、右脳だけではありません。そもそもそろばんで行うことは計算です。計算という分野は、右脳よりも左脳の方が優れています。
右脳で視覚的にそろばんを通して情報をとらえ、それから左脳を使ってその計算を行っているのです。
いわばそろばんは、右脳と左脳の掛け合わせによるものなのです。結果、右脳を活性化させると、必然的に左脳の活性化にもつながるのです。
まとめ
そろばんは、今や外国でも注目される勉強方法や脳のトレーニングに一つとして話題になりつつあります。
また、そろばんといえば子供の習い事というイメージをもたれる方も多いと思いますが、認知症の予防や思考力の向上、ストレス解消といった分野で見直され、大人向けのそろばん塾もたくさん開かれています。
老若男女誰でも簡単で安価にはじめられるそろばんは、習い事という枠を超えて素晴らしい脳のトレーニングの一つとなっています。
娯楽や趣味の一貫として、私も楽しくそろばんを学ぶ事を検討してみるのも良いのではないかと思うこのごろです。